Eclipse上級:Eclipseのインストール

2019年5月10日

このシリーズのまとめはEclipse上級にあるので参照されたい

Eclipse実行と開発対象のJavaバージョン

EclipseはJava製のプログラムなので、あらかじめJavaの実行環境が必要だ。JREでも実行できるが、Java開発をする場合にはJDKを入れておいた方が良い。

このJavaも複数のバージョンをインストールすることができる。特に、新たなバージョンをインストールしても、前のバージョンが消されるわけではない。

そして、Eclipseの実行に使用されるのは、「デフォルト」のJavaだが、その上でJavaプログラム開発をしようとする場合には、開発対象のJavaを選択することができる。

例えば、Eclipseの実行はJava8で行い、その上で開発するJavaプログラムはJava6を対象とすることも可能だ。

ともあれ、Eclipseをインストールする以前に、何かしらJava環境をインストールしておく必要がある。

https://wiki.eclipse.org/Eclipse/Installationを見てみると、2019/5時点の最新のEclipseではJava8以上が必要になる。

インストーラをダウンロードする

Javaがあるという前提で、インストーラをダウンロードする。

https://www.eclipse.org/downloads/

現時点では2019-03というバージョンだ。

単純にクリックしていけば、(Windowsの場合は)インストーラのexeファイルが得られる。

どこに、いくつインストールするか?

Javaも異なるバージョンを複数インストールしておけるのだが、Eclipseも同じである。

ただし、Javaの場合はデフォルトでインストール場所が(バージョン名をもとにして)自動設定されるが、Eclipseの場合は自分で決める必要がある。

これはどこでも好きな場所で良い。そして、Eclipseはレジストリ等を使っていないので、異なるEclipseのバージョン(必要な時は同じバージョンでも)を複数インストールしておける。

要するに、Eclipseインストーラのやることとしては、指定されたフォルダに必要ファイルを置くだけなのである。レジストリをいじったりはしない。不要になったら、フォルダを削除するだけだ。

こういう仕組みになっているのには理由があるし、そのおかげで実際に助かっている。

  • 現代のEclipseに適応させるのが困難な環境の場合、その過去のバージョンのEclipseが必要になるかもしれない。
  • 何かしらのアップデートを行うと、バグにより動作しなくなる場合がある。

等などの理由だ。したがって、長きにわたり開発を行ってきた者は、マシンに「単一のEclipseバージョンしか入れない」ことは無いと思われる。Javaもそうなのだが、Eclipseも複数のバージョンを保持しているのだ。

ただし共有フォルダはある

大昔のEclipseでは、インストールすると指定されたフォルダにフルセットのEclipseがインストールされた(実際にはZIPファイルの解凍)が、現在のEclipseでは共有フォルダを使うようになっている。

具体的には、Windowsの場合には「C:\Users\ユーザ名\.p2」というフォルダだ。

この件については、Eclipseのpluginsフォルダのありかに詳述している。

理由は想像つくと思うが、同じようなバージョンのEclipseをいくつもインストールした場合に、ディスク領域を使うのを避けるためらしい(そしてインストールも早くなる)。

これがあるがために、現代のEclipseでは、いくつインストールしてもほとんどディスク消費が無い。.p2フォルダに共通部分が格納されているからだ。

※ちなみにだが、こんな具合なので、既にインストール済のEclipseフォルダをまるごとコピーして新たなインストールを作成してもよい。実際にこれが必要になる場合もあるのだ。なぜなら、プラグイン追加したりアップデートしたりすると動かなくなることがある(あった)からだ。現在はその頻度は少ないと思われるが、予防措置を施しておくにこしたことはない。

インストールする

前置きが長くなったがインストールしてみよう。ダウンロードしたexeを実行する。

どんな開発をするのかによって、選択肢がいろいろある。単純に初心者でJava開発したいのなら、一番上を選べばよい。

基本は同じであり、あらかじめ「プラグインとして何が入っているか」の違いでしかない。例えば、Java開発であれば、JDTプラグインが入っており、C/C++ならCDT、PHPならPDTという具合である。

ただ、後からプラグインを探して入れるのも面倒なので、対象とする開発環境に即したものをインストールするべきではある。

以下でインストールフォルダとオプションを選択する。以下ではオプションを二つともOFFしている。インストールフォルダは適当でよい。後で変更するからだ。

Acceptをクリックする

こんなものが出てきたら、チェックを入れて継続する。

最後に、「起動するか?」と言ってくるが、起動しなくてよい。フォルダ位置を変更する。

インストール位置の変更と実行

インストーラに示した場所は、「C:\devel\java-2019-03」なのだが、実際にインストールされるのは、「C:\devel\java-2019-03\eclipse」になる。

どういうわけか指定されたフォルダではなく、その下にeclipseというフォルダが作成され、そこにインストールされてしまう。

名称変更し、場所を変えて「c:\devel\eclipse-2019-03」とでもする。

実行は単純に、その中のeclipse.exeを実行するだけである。つまり、「c:\devel\eclipse-2019-03\eclipse.exe」を起動すればよい。

必要であれば、eclipse.exeへのショートカットを作成すればいい。

実行すると、まずworkspaceを決めろと言われるのだが、これ以降は次回に説明する。

まとめ

  • Eclipseはレジストリを使わない。いくつでも、どんなバージョンでも保持しておくことができる。「きちんと動く構成」をまるまるコピーしておくこともできる。
  • Eclipseインストーラは、.p2フォルダに共通部分をインストールし、わずかな「特異部分」を指定フォルダの下のeclipseフォルダにインストールする。
  • インストールされたフォルダはいくらでも移動や名称変更が可能。
  • 単純にその中のeclipse.exeを起動すればよい。